現代人は、昔に比べて生活習慣や食生活が大きく変化しています。
欧米の食文化を取り入れ、パンやコーンフレーク、肉類や乳製品などの動物性タンパク質、油を使った料理などが多くなりました。
若いうちは代謝がよいので、少しくらい偏った食事が続いても何とかなるものです。
しかしそのような生活を続けていくと、数年後には確実に体調の変化が表れ、糖尿病や高血圧症、動脈硬化などの生活習慣病にかかる確率がたかまります。
働き盛りの中高年以降も健康を維持して働くためには、適度な睡眠と運動、体に必要なビタミンやミネラルをしっかり摂ることが大切です。
そこで、今回は野菜不足を解消できる福利厚生と、おすすめ社食サービスについてご紹介します。
>>社員の健康改善にも!社食サービス「オフィスでやさい」<<
社員の食生活は大丈夫?
昨今は、パソコンやスマートフォンなどのツールを使い、ほとんど一日中座って仕事をするオフィスワーカーが増えています。
ランチタイムにはオフィス周辺の飲食店でボリュームたっぷりでリーズナブルな価格のお弁当や定食を気軽に食べられる環境にあります。
ほかにも、コンビニのおにぎりやサンドイッチ・お弁当・インスタントラーメンなどを調達する人も多いでしょう。
ところが、そんなお弁当や定食は、揚げ物・肉類や味の濃いもの、ご飯などの炭水化物が多くなりがちです。
このように偏りがちな食習慣を続けていれば、少しずつ確実に体をむしばみ、気がついたら生活習慣病にかかっていたなんてことにもなりかねません。
「健康経営」という言葉もあるように、社員が生きいきと働いて生産性を向上させられるよう、経営的な視点で社員の健康管理について考えることが必要です。
社員の健康リスクは業績にも影響!
企業にとって、社員は必要に応じた投資を行い、大切に育くんでいく財産であると言えます。
企業が利益を上げられるかどうかは、ひとえに社員が労働生産性を高め、継続して働いてくれることにかかっています。
ところが、長年、偏った食事を摂り続けていた社員は、働き盛りであるはずの中高年になると、企業の健康診断で問題が見つかることも少なくありません。
ようやく本領を発揮すべき中高年になって成人病にかかってしまえば労働生産性も下がり、企業にとっては大きな損失です。
社員に野菜を食べてもらうには?
そんな生活習慣病予備軍の社員を自社に抱えないようにするために、企業はどうすればよいのでしょうか。
主食と一汁三菜だったかつての日本の食事と、現代の食事との最も大きな違いは、「野菜の摂取量」であると言われています。
というのも、現代人は豊かな環境で何でも自由に食べられる飽食時代と言われているにもかかわらず、人間にとって必要な18種類の栄養素のうち16種類が不足しているとの結果がでています。
実際に、高年齢の方が栄養素の摂取量は高く、社会人として働き盛りであるはずの20代~40代の方が栄養状態は低いのです。
その原因の1つには野菜不足があり、日本は若ければ若いほど野菜から摂取できるビタミンやミネラルが不足しているという現状にあります。
平成22年に実施された厚生労働省による「国民健康・栄養調査」では、「野菜をたくさん食べるようにしている」と回答した30歳以上の人は、男性が約45パーセント、女性は約60パーセントほどしかいないとの結果がでています。
野菜は、一日あたり350グラム以上を摂取することが推奨されていますが、同調査では、20~30歳代の男性でおよそ260グラム、女性はおよそ240グラムしか野菜を摂取できていませんでした。
野菜にはビタミンやミネラルのほかに食物繊維が多く含まれており、野菜を多く食べる人は、いわゆる成人病やがんなどの病気にかかる確率が低いというデータもあります。
8月31日は、全国青果物商業協同組合連合会などによって定められた「野菜の日」だそうですが、毎日の食生活で、野菜を食べるよう意識している社員はどれくらいいるのでしょうか。
まずは、自社の社員達がどのような食生活をおくっているのかをリサーチし、積極的に野菜を食べたくなるような環境を企業が整えていくことが大切です。
「福利厚生」を有効活用
企業が社員の食生活を知るうえで、有効活用すべきものがあることをご存じでしょうか。
それは、企業が給料などの賃金のほかに非金銭報酬として社員に与えている「福利厚生」です。
この「福利厚生」が充実していると、社員の会社に対する満足度が高まり、社員の離職率も下がります。
実際に、就職活動を始めた大学生が、企業を選ぶ際に最も注目するポイントの第1位は「福利厚生」という調査結果もあるほどです。
さらに、実際に働いている社員に対し、マンパワーグループが2015年に実施した福利厚生の人気ランキングに関する調査では、第1位は「食事補助」でした。
このように社員にとって関心の高い「福利厚生」と、「食事補助」をうまく利用することは、企業が社員の食生活を把握できるだけでなく、自社のブランディングにもつながります。
社食ではない新しい形とは?
福利厚生をうまく利用して社員に野菜を食べてもらう環境を整えるために、手軽に導入できることは何でしょうか。
企業が、福利厚生で食事を補助するといえば、社食をイメージする人も多いと思います。
しかし、企業が福利厚生として社内に社員食堂を設置するのは簡単ではありません。
オフィスの大規模なリフォームが必要ですし、継続して運営していくためには食堂の従業員確保など、時間と費用をかけることになります。
そこでおすすめしたいのが、福利厚生として社食の新しい形でもある「社食サービス」の活用です。
この社食サービスは、オフィス内のスペースに簡易的に設置できる、食に関する福利厚生です。
社食サービスが導入されれば、社員はオフィス内でいつでも利用でき、企業は社員食堂のように食堂専用のスタッフを置かなくても運営できるというメリットがあります。
また、食の福利厚生として社食サービスを導入すると、そのスペースが社員達の談話や休憩の場所となり、社員同士がコミュニケーションを図ることができるため、仕事にもよい影響があるでしょう。
企業にとっては、社食サービスを福利厚生に取り入れることで、野菜不足など、社員の食生活の乱れに関する情報を得ることもできます。
野菜不足を解消!福利厚生に最適な社食サービスとは
食の福利厚生である社食サービスは、それぞれの業者によって特色がさまざまです。
そこで、社員の野菜不足を解消するために最適な社食サービスとして、下記の4つを紹介します。
- オフィスでやさい
- オフィスおかん
- オフィスでごはん
- みんなの食堂
それぞれのサービスの特徴や、野菜に関するメニューなどを具体的に説明します。
オフィスでやさい
「オフィスでやさい」は、「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」が提供する食の福利厚生である社食サービスです。
この社食サービスの最も大きな特徴は、食の福利厚生である社食サービスのなかでも、新鮮な産直野菜や旬のフルーツなど生の野菜や果物を摂取できるメニューが豊富なことです。
ビーツやクレソンなどが入った彩りのよいサラダ、卵・チキン・ひじきなどをはじめとするタンパク質や豆類などが入ったサラダなどがラインナップされています。
特にユニークなメニューが「サラダごはん」です。この1食で野菜のミネラル・ビタミンに加えて炭水化物やタンパク質などをバランスよく摂ることができます。
食の福利厚生サービスとして「オフィスでやさい」を導入すれば、社員はランチタイムだけでなく、朝食を食べそこねた時や急な残業がある時にも、野菜のミネラルやビタミンをしっかり摂取可能です。
この食の福利厚生である社食サービス「オフィスでやさい」のほとんどのメニューは一食100円で食べられるため、社員は野菜を積極的に摂れるようになるでしょう。
オフィスおかん
社員が野菜を摂るように企業が意欲的に取り組むのであれば、食の福利厚生である社食サービス「オフィスおかん」もよいでしょう。
この「オフィスおかん」は、サラダなどの生の野菜に加え、毎月旬の食材を使用したこだわりの20種類のメニューが取り揃えられ、一食100円とリーズナブルです。
メニューは、専任の管理栄養士が監修しています。
全国の惣菜パートナーと試作を重ね、添加物をなるべく使わずに国産原料を優先しており、子どもでも安心して食べられることが基準に設けられています。
そんな食の福利厚生である社食サービス「オフィスおかん」を実際に利用している企業では、野菜が不足しがちな一人暮らしの社員からも「気軽に野菜が食べられてよい」と好評です。
オフィスでごはん
社員が積極的に野菜を摂れるよう、食の福利厚生である社食サービスの導入を検討しているのであれば、「オフィスでごはん」という選択肢もあります。
この「オフィスでごはん」は、「オフィスでやさい」とともに「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」が提供する食の福利厚生サービスです。
全てのメニューは国産の食材が優先的に使用され、添加物を加えることなく国内で生産されています。
また、管理栄養士が内容をしっかり監修したメニューを取り揃えていますので、野菜が摂取できるだけでなく、バランスのいい食事としても安心です。
ちなみに、飽きがこないよう、毎月半分のメニューがリニューアルされます。前述の「オフィスでやさい」よりボリュームのある食の福利厚生としての社食サービスを導入したい場合にぴったりのサービスです。
そんな「オフィスでごはん」も、メニューのほとんどが一食100円で食べられます。
みんなの食堂
社員がもっと野菜を摂取するような取り組みを考えている企業には、食の福利厚生である社食サービス「みんなの食堂」もよいでしょう。
「みんなの食堂」は、2020年の新型コロナウイルスにより、これまでのビュッフェスタイルの社食方式から、オフィスで専門店のランチを食べられる社食サービスにリニューアルした食の福利厚生である社食サービスです。
月曜日はカフェ、火曜日は魚専門、水曜日は中華など、レストランのメニューがランチボックスまたはお弁当として毎日2種類ずつ宅配されます。
そんな食の福利厚生である社食サービス「みんなの食堂」の料金は1食税込600円です。
野菜だけでなく主食や惣菜がセットになっているので、あれこれ迷わずに野菜を含むランチを専門店の味で堪能できます。
社食サービスと組み合わせて効果UP!その他の取り組み
ここまで食の福利厚生サービスとして、社員が野菜をしっかり摂れるような社食サービスを紹介しました。
次に、健康経営の一貫として、これらの食の福利厚生である社食サービスの導入と組み合わせると効果のある取り組みについて紹介します。
食の福利厚生である社食サービスを導入して社員が野菜を摂るようになったとしても、継続して野菜を摂取するかどうかは定かではありません。
なぜなら社員が「たまたまメニューにあったから」、「今日はさっぱりしたものが食べたいから」などの理由で選んでいては、野菜の摂取が習慣化されにくいためです。
その日だけ多めに野菜を摂ったからといって満足してしまっては、効果がありません。
健康を維持していくには、食の福利厚生である社食サービスによって、推奨されている野菜の摂取量をできるだけ摂り続けていくという毎日の積み重ねが大切です。
そのためにも、ほかの取り組みを組み合わせて効果をさらに高めていきましょう。
健康セミナー
社員に健康であることの重要性を認識してもらうには、健康セミナーも効果があります。
企業が社員に促すのではなく、管理栄養士や健康運動指導士などの専門職に携わっている講師を招いて自社に合ったテーマで健康セミナーを開催すれば、社員の関心も高まるでしょう。
健康に関する課題は、社員それぞれ異なるかもしれません。
健康セミナーに参加することで専門的な知識を共有すれば、社員も毎日の食生活で野菜を積極的に摂取することがいかに大切かということを改めて認識できます。
「餅は餅屋」というように、敢えて企業側は食の福利厚生である社食サービスの導入に留め、健康については専門家にアドバイスしてもらう方が社員も納得しやすいでしょう。
ベジチェック
食の福利厚生である社食サービスの導入と合わせて、気軽に取り組めるものとしては「ベジチェック」もおすすめです。
ベジチェックは、カゴメ株式会社がドイツのBiozoom services社と協同で開発した機器で、LEDが搭載されています。
手のひらをベジチェックのセンサーに当てると、120段階の野菜摂取の充足度とグラムで示した野菜摂取量の推定値を測定できます。
このベジチェックは、2019年7月よりレンタル・リースが開始されているので、企業が食の福利厚生である社食サービスを導入するにあたって併用すると効果的です。
社員も、野菜をしっかり摂取できているかどうかを数値で示されることで意識しやすくなり、積極的に野菜を摂るようになるでしょう。
まとめ
飽食時代と言われるなか、昔よりも栄養不足になっているのが現状です。数年後に自社の社員が健康で元気に働いているかどうかについて目を向けることが求められています。
日本のような少子高齢化社会では、今働いている社員が離職せず長期的に企業に留まり、労働生産性を向上させていくことが企業の安定した利益につながります。
企業は、社員の健康のために環境を整えていくことが必要です。自社の利益を守るため、社員が毎日の食生活を見直して継続的に野菜の摂取を心がけるように、自社に適した食の福利厚生を導入するのも一つの方法です。
まずは、社食よりも気軽に始められ、初期導入費用がほとんどかからない食の福利厚生である社食サービス導入を検討されることをおすすめします。