これまで、会社の食に関する福利厚生といえば、社員食堂を社内に設置するのが一般的でした。
しかし、テレワークが普及するなど従業員の働き方が変化し、オフィスに出社しない従業員が増えたため、社員食堂の利用者は減少し、従業員同士のコミュニケーションにも変化が出てきています。
社員食堂に代わり、柔軟に昼食を選ぶことができる社食サービスに注目が集まってきました。
本記事では、多くの企業が取り入れ始めている社食サービスとは一体どのようなサービスなのか、その魅力やメリットについて解説します。おすすめの社食サービスも厳選して紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
福利厚生として人気が高い「社食サービス」
社食サービスとは、社員食堂を設置する以外の方法で食事を提供することです。
一日の仕事の中で、最も気持ちを切り替えられ、リラックスできる時間は昼食の時間ではないでしょうか。
しっかりと食事をとって栄養を補給し、他の従業員と交流することで午後の英気を養える昼食の時間は、忙しい従業員にとって大切で楽しみな時間でしょう。
マンパワーグループが行った「会社の福利厚生として良いと思うもの」「実際にあった福利厚生で良かったと思うもの」についての調査で、従業員が会社に期待している福利厚生は最も多いのが「住宅手当・家賃補助」(48.3%)、次いで「食堂、昼食補助」(33.9%)でした。
福利厚生の中でも食事補助の人気が高いことが分かるでしょう。
さまざまなタイプのサービスが展開されている
社食サービスとは、一口に言ってもさまざまなタイプが存在します。ここでは、一般的な4つタイプの社食サービスを解説します。
【設置型の社食サービス】
設置型の社食サービスとは、オフィス内に冷蔵庫や冷凍庫などを設置後、その中にお惣菜を補充するタイプのものです。
従業員は時間にとらわれずに都合の良いタイミングで好きなお惣菜などを取り出して食事ができます。
冷蔵庫の中に常にお惣菜が補充してあるので、注文を取る必要がなく、集金の手間も省け、会社側にとっても余計な手間が掛からない、というメリットもあります。
【宅配型の社食サービス】
宅配型の社食サービスとは、電話やネットで注文すれば、昼休みの時間前にお弁当やお惣菜を会社に届けてくれるタイプのものです。
メリットは、メニューの中から事前に好きなお弁当を選べることです。宅配型は場所をとらないので、小さな企業でも取り入れやすいタイプといえます。
【飲食店利用型の社食サービス】
飲食店利用型の社食サービスとは、文字通り対象の飲食店で食事をすることに対して会社が補助をすることです。
会員特典クーポンや会員証を提示すると、料金の割引などが受けられます。どの従業員も公平に利用することができ、従業員同士の交流にも役立つと評判です。
【食事提供型の社食サービス】
食事提供型の社食サービスとは、会社の会議室などを一時的に食堂スペースとし、調理済みの料理をセッティングして取り分けるタイプのものです。
会社でビュッフェ形式の昼食を楽しめる、と言い換えたほうが分かりやすいかもしれません。しかし、広いスペースを確保することが難しい企業には不向きと言えます。
従業員の食事補助になる
社食サービスとは、会社が従業員の食事代を一部補助する福利厚生なので、従業員は低価格で食事をとることができます。
ただし、福利厚生で実施する社食サービスは会社が食費全額を負担することではありません。
食事補助として提供する社食サービスとは、1ヶ月当たり3,500円(税抜き)以下の補助額であること、 食事代の半分以上を従業員が負担していることが条件です。
上記の2点を満たさない場合は課税対象になってしまうので、気を付けましょう。
導入企業多数!おすすめ社食サービス
社食サービスとはいっても、設置型や弁当販売、飲食店の利用などさまざまなタイプがあります。多くの企業が導入している社食サービスとは、どのようなタイプのものなのでしょうか。
それぞれのタイプでおすすめしたいものを5つ紹介します。
【設置型】オフィスでやさい
「オフィスでやさい」の社食サービスとは、2,000拠点以上の導入実績を誇る設置型のタイプのものです(2020年10月現在)。継続率も98.4%と大変高く、多くの企業に支持されています。
オフィスでやさいの特徴は、不足しがちな新鮮な野菜や果物を、いつでも自分の好きな時間に専用の冷蔵庫から取り出して食べられることです。
従業員の購入価格は1食100円から用意されているので、ランチにプラスしたり、仕事の合間に栄養補給をしたりと、いつでも好きな時に気軽に利用できます。
もちろん、メニューにはおかずになるお惣菜やごはんもラインナップされており、年間で60種類以上もの商品が変わるので、食事を選ぶのが楽しくなります。必要なのは冷蔵庫の設置スペースのみです。
【設置型】Fit Food Biz Lite
「Fit Food Biz Lite」は、こだわり抜いた健康的なお弁当の配送を実施している社食サービスです。
3大栄養素やビタミン、ミネラル、食物繊維に抗酸化物質を加えた7大栄養素が摂取可能なお弁当をいつでも専用の冷蔵庫から取り出して食べることができます。
お弁当の利用者として想定しているのは、デスクワークをする従業員です。
500キロカロリー台とヘルシーで、従業員は1食500円(税込み)と手軽な値段で利用できることが魅力です。
さらに、昼食後でも従業員が高いパフォーマンスを発揮できるように栄養面にこだわり抜いているので、会社の生産性を上げることも期待できます。
なお、お弁当は無添加ですが、チルドで4日間日持ちがするため全国に配送が可能です。
【弁当販売】シャショクル
「シャショクル」の社食サービスとは、有名店の高級なお弁当や逆に価格の安さを重視したお弁当、野菜たっぷりのヘルシーなお弁当など、さまざまなジャンルのお弁当を日替わりでオフィスに届けるものです。
お弁当のバラエティが大変豊富なので、毎日飽きずにランチを楽しめます。なお、お弁当は定期配送か、オフィスでの対面販売を会社側が選択できます。
【弁当販売】みんなの食堂
「みんなの食堂」という社食サービスとは、社外に出ずともオフィスにいながらレストランの日替わりランチを1食税込み600円という手軽な値段で楽しめます。
お弁当は毎日違うレストランのメニューが2種類ずつ届くので、飽きません。配送料や固定費がかからず、問い合わせから最短3日で導入が可能です。
【飲食店利用】チケットレストラン
「チケットレストラン」が提供する社食サービスとは、全国60,500店以上の飲食店やコンビニで毎日利用できるタイプのものです。
食事に関する福利厚生サービスの中で最も多く導入されており、利用率99%、継続率98%、社員満足度90%と高い満足度を誇ります。
社食サービスを導入するメリット
社食サービスとは、さまざまなタイプのものがあることが分かりました。では、社食サービスは実際にどのような恩恵をもたらすのでしょうか。
「社員食堂」の設置よりも手軽
社員食堂を設置するには運営や導入に多大なコストがかかり、厨房だけでなく食堂として使うためのかなり広いスペースが必要です。
厨房やスタッフの人件費などを考慮すると、高額の初期費用とランニングコストがかかってきます。
しかし、社食サービスは初期費用がかからないものや月額制のものも多く、冷蔵庫や電子レンジといった設備も無料で貸し出すタイプのものもあります。
面倒な手間をかけずに簡単に導入ができ、オフィスに社食を設置するよりも大幅にコストを抑えることが可能です。
比較的手軽に始められる社食サービスとは異なり、社員食堂の導入にはさまざまな内容の検討と綿密な計画が必要です。手軽に始められるという点では、社食サービスが社員食堂より優れていると言っても過言ではありません。
食の福利厚生は従業員満足度UPに貢献
社食サービスとは、給与以外で従業員を経済的に支援することにつながります。
従業員の誰もが利用できる社食サービスとは違い、特定の人が利益を享受できる住宅手当や家族手当などの福利厚生は、これまで従業員の不満の種でもありました。
全ての従業員が平等に福利厚生を利用できることもメリットになり、従業員の満足度も大きくなるのではないでしょうか。
社食サービスとはオフィス内で豊富なメニューの中から食事を選んで食べるものなので、外食のような時間のロスとストレスを軽減できます。こうした食の福利厚生によって、従業員の満足度もUPすることでしょう。
健康サポートにつながる
1人暮らしの場合や毎日仕事で忙しいときには、つい食事をおろそかにしてしまいがちです。
しかし、オフィスで栄養管理が徹底された食事を提供することで、従業員の健康サポートができたらどうでしょうか。
社食サービスで提供している食事は、栄養バランスやカロリーを考慮して作られているので安心です。
社食サービスとは単に福利厚生としての役割だけでなく、従業員の健康をサポートし仕事の効率化にもつながるとてもありがたい役割を果たしてくれます。
コミュニケーション活性化につながる
オフィス内で食事がとれる社食サービスを導入すると、従業員が昼休みの時間をオフィス内で過ごすことが多くなります。
食事のメニューを選ぶ際に食べたことがある人から感想を聞いたり、自分が食べているメニューの感想を伝えたりする機会が生まれます。
社食サービスとは、社内のコミュニケーションを生み出すツールでもあるのです。
採用活動に活かせることも
株式会社マイナビが行った「2019年卒 マイナビ大学生広報活動開始前の活動調査」では企業選びで重視される要素のうち、最も多いのが「福利厚生の充実度」(14.3%)でした。
社食サービスを導入している会社は、食事の面から従業員の健康をサポートする会社として認知され、福利厚生がしっかりしていることでブランド価値が高まり採用活動にもよい影響を与えるでしょう。
社食サービスとは、今、会社にいる従業員にとって好まれるだけではなく、未来の従業員にまで魅力的に映る福利厚生なのです。
社食サービスを検討するならここを見るべき!
社食サービスとは据置型や飲食店利用型など、さまざまなタイプがあるため、どのサービスが自社に適しているのか迷うこともあるでしょう。
そこで、社食サービス導入を検討するにあたり、重視するポイントを紹介します。
導入・維持・管理コスト
会社にぴったりの社食サービスとは、従業員のニーズに寄り添っているものだといえます。
昼休みの時間がバラバラだったり、リモートワークでオフィスに出社していない従業員が多かったりする場合は、据置型や飲食店利用型のサービスがよいでしょう。
従業員が一斉にランチタイムをとれる場合は、宅配型や食事提供型がおすすめです。
さらに、社食サービスの導入の際に見るべきポイントは、初期費用や月額費用などの金銭面と管理にかかる手間やコストです。
社食サービスとは社員食堂を設けるよりも手軽に導入できますが、利用には当然コストがかかります。
タイプによっては初期費用がかからないもの、会社の月額負担金が発生するものもあります。
また、食品の管理に会社側が関わる必要が生じるタイプのサービスもありますので、よく調べて検討しましょう。
メニューのラインナップ
金銭面や手間も大切ですが、メニューのラインナップは従業員の満足度を高めるためにも大事なポイントです。
いざ社食サービスを導入しても、メニューが少ないと従業員が飽きてしまい、利用が減少してしまうかもしれません。
メニューの栄養価が偏っていれば、従業員の健康サポートに有益な結果が得られないばかりか、仕事の効率に支障をきたすこともあるでしょう。
社食サービスの導入には、メニューに従業員を飽きさせない工夫があるか、健康のサポートができる内容かどうかをよく検討することをおすすめします。
まとめ
今回は社食サービスとはどのようなものなのか、その魅力やメリットについて解説しました。
食に関する福利厚生である社食サービスとは、従業員からの期待が高く、さらに会社にもたらすメリットも大きいことが分かりました。
自社にぴったりのサービスを見つけ、導入してみましょう。